webシステム開発の費用相場と見積もりの考え方

予約管理や会員サイト、受発注の管理など、webシステムを活用して業務やサービスを改善したいと考える企業は増えています。webシステムはブラウザから利用できるため、パソコンやスマートフォンなど端末を選ばずに使える点も魅力です。
一方で、開発を検討するときに多くの担当者が悩むのが費用です。同じwebシステムでも、数十万円で作れるものもあれば、数千万円規模になるものもあります。相場や費用の決まり方を知らないまま見積もりを依頼すると、金額が妥当なのか判断できず、比較や社内での説明に苦労することもあるでしょう。
この記事では、webシステム開発の費用相場や内訳、費用が変わる要因、開発後に必要なコスト、費用を抑えるポイントまでわかりやすく解説します。受託開発を手がけるウィソフト株式会社では、ご予算や目的に合わせた開発範囲のご提案から対応しています。発注前の判断材料としてお役立てください。
webシステム開発の費用はどのように決まるのか
webシステム開発の費用は、パッケージ製品のように決まった価格があるわけではありません。どのような機能を、どれくらいの人数で、どれくらいの期間をかけて作るのかによって金額が決まります。まずは、費用の基本的な考え方を押さえておきましょう。
費用の大部分を占める人件費
webシステム開発の費用で大きな割合を占めるのが、エンジニアなどの人件費です。一般的に、開発費全体の7〜8割程度を人件費が占めるともいわれています。
人件費は「人月単価×人数×開発期間」で計算するのが一般的です。人月とは、1人が1か月作業したときの作業量を表す単位です。たとえば、人月単価100万円のエンジニア2名が3か月作業する場合、人件費は100万円×2名×3か月で600万円となります。
人月単価は担当者の役割やスキルによって異なります。目安として、プログラマーは40万〜80万円程度、システムエンジニアは80万〜120万円程度で、上級のエンジニアやプロジェクトマネージャーでは100万〜200万円程度になることもあります。また、開発会社の規模や、国内で開発するか海外に委託するかといった体制の違いによっても単価は変わります。
工程ごとの費用の内訳
webシステム開発は、要件定義、設計、開発(実装)、テスト、リリースといった工程で進みます。見積もりでは工程ごとに費用が示されることが多く、目安としては、要件定義が全体の5〜10%程度、設計が15〜20%程度、開発が40〜50%程度、テストが20〜30%程度、リリースや導入作業が5〜10%程度といわれています。
このように、プログラミングにあたる開発工程だけでなく、要件定義や設計、テストにも一定の費用がかかります。特に要件定義や設計を丁寧に行うと、後からの手戻りが減り、結果的に全体の費用を抑えやすくなります。見積もりを見るときは、開発工程の金額だけでなく、前後の工程にどれくらいの工数が見込まれているかも確認しておくとよいでしょう。
システムの種類別に見る費用相場の目安
webシステムの費用は、作るシステムの種類によっても大きく変わります。ここでは、代表的なシステムの費用感を紹介します。なお、金額はあくまで一般的な目安であり、機能や要件によって大きく前後する点には注意が必要です。
比較的小規模なシステムの費用感
問い合わせフォームと簡易的な管理画面を組み合わせたシステムであれば、20万〜80万円程度が目安になります。機能が限られているため、短期間で開発しやすいのが特徴です。
予約システムの場合は、80万〜300万円程度がひとつの目安です。日時の選択や予約の受付、確認メールの送信といった基本機能であれば比較的費用を抑えやすい一方、決済機能や会員管理、複数店舗・複数スタッフへの対応などを加えると、費用は上がっていきます。
会員サイトやECサイトの費用感
ログイン機能やマイページを備えた会員サイトは、100万〜400万円程度が目安です。会員情報を扱うため、セキュリティ対策や権限管理の設計が必要になります。
決済機能を備えたECサイトの場合は、150万〜600万円程度が目安となります。商品管理や在庫管理、決済サービスとの連携、受注や配送の処理など、必要な機能が多いほど費用は増える傾向があります。既存のECサービスやパッケージを活用するか、独自に開発するかによっても金額は大きく変わります。
業務管理システムやwebサービスの費用感
顧客管理や案件管理のシステムは150万〜500万円程度、受発注や在庫、請求などをまとめて管理する業務管理システムでは300万〜1,000万円以上になることもあります。業務ルールが複雑になるほど、設計やテストに時間がかかるためです。
また、マッチングサービスやSaaSのように、多くのユーザーが利用するwebサービスを新たに立ち上げる場合は、500万〜2,000万円以上かかることもあります。アクセスの集中に耐えられる設計や、継続的な機能追加を前提とした構成が求められるためです。
費用を左右する主な要因
同じ種類のwebシステムでも、要件によって見積もり金額は大きく異なります。費用が変わる主な要因を知っておくと、見積もりの内容を理解しやすくなり、予算の調整もしやすくなります。
機能の数と業務ルールの複雑さ
費用にもっとも影響しやすいのが、機能の数と業務ルールの複雑さです。画面の数が増えるほど、設計や開発、テストの作業量も増えていきます。
また、見た目はシンプルでも、内部の処理が複雑なシステムもあります。たとえば、ユーザーの役割ごとに閲覧できる情報を分ける権限管理や、複数段階の承認フロー、条件によって変わる料金計算などは、設計や動作確認に時間がかかります。業務の例外処理が多い場合も、それぞれに対応する仕組みが必要になるため、費用が上がりやすくなります。
外部連携やセキュリティの要件
外部サービスとの連携も、費用に影響する要素です。決済サービスや会計ソフト、既存の社内システム、外部のAPIなどと連携する場合は、接続のための開発や検証が必要になります。
さらに、個人情報や取引情報を扱うシステムでは、通信の暗号化やアクセス制御、操作履歴の記録といったセキュリティ対策が欠かせません。求められる安全性の水準が高いほど、設計や検証にかかる工数も増えていきます。利用者数が多いシステムでは、アクセス負荷への対策も必要です。
開発手法の違い
開発手法の選び方によっても費用は変わります。ゼロから作るスクラッチ開発は、自社の業務に合わせて自由に設計できる反面、費用や期間がかかりやすい方法です。既存のパッケージやオープンソースを活用し、必要な部分だけを開発する方法であれば、費用を抑えやすくなります。
ノーコードやローコードのツールを使えば、さらに短期間・低コストで始められる場合もあります。ただし、複雑な機能や独自の仕様には対応しにくいことがあり、ツールの利用料が継続的に発生する点にも注意が必要です。目的や将来の拡張性を踏まえて、最適な方法を選ぶことが大切です。
webシステム開発の費用は、何をどこまで作るかによって大きく変わります。ウィソフト株式会社では、業務内容や課題を丁寧に伺ったうえで、必要な機能の優先順位や開発範囲を整理し、ご予算に合わせた進め方をご提案しています。見積もりの考え方や開発方法に迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。
開発費以外に発生する費用
webシステムは、完成して公開したら終わりではありません。安定して使い続けるためには、開発費とは別に運用や保守のための費用が発生します。初期費用だけで予算を組んでしまうと、公開後に想定外の出費に悩むこともあるため、事前に把握しておきましょう。
サーバーやドメインなどの運用費
webシステムを動かすには、サーバーやドメイン、SSL証明書などが必要です。クラウドサーバーを利用する場合は、利用量に応じて月額の費用が発生します。小規模なシステムであれば月数千円から数万円程度で収まることもありますが、利用者やデータ量が多いシステムでは費用が大きくなる傾向があります。
また、決済サービスや地図、メール配信などの外部サービスを利用する場合は、それぞれの利用料や手数料も必要です。開発時の見積もりには含まれていないこともあるため、どのような費用がかかるのかを事前に確認しておくと安心です。
保守や改修にかかる費用
公開後には、不具合への対応やセキュリティの更新、サーバーの監視といった保守作業も必要になります。保守費用は契約内容によって異なりますが、年間で初期開発費の15%前後がひとつの目安といわれています。
さらに、実際に使い始めると「この画面をもっと使いやすくしたい」「新しい機能を追加したい」といった要望が出てくるものです。業務の変化に合わせた機能追加や改修の費用も、あらかじめ予算に組み込んでおくと、長く活用しやすいシステムになります。
費用を抑えながら失敗を防ぐポイント
webシステム開発は、企業にとって決して小さな投資ではありません。費用を抑えることは大切ですが、安さだけを優先すると、品質やサポート面で後悔することもあります。ここでは、費用と品質のバランスを取りながら開発を進めるためのポイントを紹介します。
目的と優先順位を整理し段階的に開発する
費用を抑えるうえで効果的なのは、開発の目的と必要な機能の優先順位を明確にすることです。「何のためにシステムを作るのか」「誰がどのように使うのか」が曖昧なまま進めると、途中で要望が増えて費用が膨らみやすくなります。
最初からすべての機能を盛り込むのではなく、まずは必要最低限の機能で公開し、実際の利用状況を見ながら機能を追加していく進め方も有効です。初期費用を抑えられるだけでなく、本当に必要な機能を見極めやすくなるため、無駄な開発を減らすことにもつながります。
見積もりは内訳と前提条件まで比較する
見積もりを比較するときは、合計金額だけで判断しないことが大切です。どの工程にどれくらいの工数を見込んでいるのか、デザインやテスト、サーバー構築、公開後のサポートが含まれているのかなど、内訳と前提条件を確認しましょう。
複数の開発会社から見積もりを取ると、相場感をつかみやすくなります。その際は、同じ要件を伝えたうえで比較することがポイントです。金額が大きく異なる場合は理由を確認することで、見落としていた作業やリスクに気づけることもあります。仕様変更や追加開発が発生したときの費用の考え方も、事前に確認しておくと安心です。
補助金などの支援制度も確認する
国や自治体では、中小企業のIT活用を支援するための補助金制度が用意されています。代表的なものとして、IT導入補助金から名称が変わった「デジタル化・AI導入補助金」などがあります。
ただし、補助金ごとに対象となる経費や申請の要件、スケジュールが定められており、オーダーメイドのシステム開発が対象にならない場合もあります。制度の内容は年度によって変わるため、活用を検討する際は最新の公募要領を確認し、開発会社や専門家にも相談しながら進めるとよいでしょう。
webシステム開発の費用 まとめ
webシステム開発の費用は、人月単価をもとにした人件費が中心となり、機能の数や業務ルールの複雑さ、外部連携、セキュリティ要件、開発手法などによって大きく変わります。小規模なシステムなら数十万円から、本格的な業務システムやwebサービスでは数百万円から数千万円規模になることもあります。
また、公開後にはサーバー費用や保守費用、改修費用も発生するため、初期費用だけでなく運用まで含めた予算計画が欠かせません。目的と優先順位を整理し、見積もりの内訳を丁寧に比較することで、費用を抑えながら自社に合ったシステムを実現しやすくなります。
ウィソフト株式会社では、業務システムやwebシステムの受託開発を通じて、企業ごとの課題に合わせた仕組みづくりを支援しています。企画・設計から開発・運用までワンストップで対応し、ご予算や目的に合わせた開発範囲のご提案も可能です。webシステム開発の費用や進め方についてお悩みの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
